等差数列とその和
等差数列の基本公式の復習¶
等差数列とは「一定の数ずつ増えていく数列」でした。初項を $a$、公差を $d$ とすると、一般項は次の式で表されます。
$$a_n = a + (n-1)d$$
例えば初項 $-3$、公差 $6$ なら、$a_1=-3,\ a_2=3,\ a_3=9,\ a_4=15,\dots$ と並び、一般項は $a_n = -3+6(n-1) = 6n-9$ という1次関数のような式で表されます。
$$a_n = a + (n-1)d$$
例えば初項 $-3$、公差 $6$ なら、$a_1=-3,\ a_2=3,\ a_3=9,\ a_4=15,\dots$ と並び、一般項は $a_n = -3+6(n-1) = 6n-9$ という1次関数のような式で表されます。
等差数列の性質(隣り合う項の差が一定)¶
初項 $a$、公差 $d$ の等差数列は $a, a+d, a+2d, \dots$ と並ぶので、第 $n+1$ 項と第 $n$ 項の差は常に公差 $d$ で一定になります。
$$a_{n+1} - a_n = d \quad (\text{一定})$$
具体例:初項 $3$、公差 $2$ の数列 $3, 5, 7, 9, 11, 13, \dots$ では、
$$a_4 - a_3 = 9 - 7 = 2, \qquad a_6 - a_5 = 13 - 11 = 2$$
のように、どこで差を取っても公差 $2$ になります。
これを一般化すると、
$$a_{n+1} - a_n = 2$$
すなわち、隣り合う項の差は常に $2$ である、ということです。
この逆も成り立ちます(必要十分条件):「$a_{n+1}-a_n$ が常に一定の値」であれば、数列 $\{a_n\}$ は等差数列であると言えます。この性質を使って証明を行います。
$$a_{n+1} - a_n = d \quad (\text{一定})$$
具体例:初項 $3$、公差 $2$ の数列 $3, 5, 7, 9, 11, 13, \dots$ では、
$$a_4 - a_3 = 9 - 7 = 2, \qquad a_6 - a_5 = 13 - 11 = 2$$
のように、どこで差を取っても公差 $2$ になります。
これを一般化すると、
$$a_{n+1} - a_n = 2$$
すなわち、隣り合う項の差は常に $2$ である、ということです。
この逆も成り立ちます(必要十分条件):「$a_{n+1}-a_n$ が常に一定の値」であれば、数列 $\{a_n\}$ は等差数列であると言えます。この性質を使って証明を行います。
「置き換え」で証明する(\(a_n = pn+q\) が等差数列であることの証明)¶
数列の単元では「置き換え」の考え方をよく使います。式 $a_n = pn + q$($p,q$ は定数)の $n$ を $n+1$ に置き換えると、右辺の $n$ もすべて $n+1$ になります。
$$a_{n+1} = p(n+1) + q$$
この2式の差を計算します。
$$a_{n+1} - a_n = \{p(n+1)+q\} - (pn+q) = p$$
$p$ は定数なので差は常に一定値 $p$。よって数列 $\{a_n\}$ は等差数列です。
初項は $n=1$ を代入して $p+q$、公差は $p$ と求まります。
$$a_{n+1} = p(n+1) + q$$
この2式の差を計算します。
$$a_{n+1} - a_n = \{p(n+1)+q\} - (pn+q) = p$$
$p$ は定数なので差は常に一定値 $p$。よって数列 $\{a_n\}$ は等差数列です。
初項は $n=1$ を代入して $p+q$、公差は $p$ と求まります。
等差中項(\(2b = a+c\))¶
$a, b, c$ がこの順で等差数列ならば、隣り合う項の差が等しいので、
$$b - a = c - b$$
これを整理すると、
$$2b = a + c$$
「真ん中を2倍したものが、両端の和に等しい」という関係です。
カレンダーの例:今日が12日なら、1週間前は5日、1週間後は19日(公差7の等差数列)。両端の和 $5+19=24$ は、中央 $12$ の2倍 $12 \times 2 = 24$ と一致します。
$$b - a = c - b$$
これを整理すると、
$$2b = a + c$$
「真ん中を2倍したものが、両端の和に等しい」という関係です。
カレンダーの例:今日が12日なら、1週間前は5日、1週間後は19日(公差7の等差数列)。両端の和 $5+19=24$ は、中央 $12$ の2倍 $12 \times 2 = 24$ と一致します。
等差数列の和の公式(逆順に足して2倍する発想)¶
$1$ から $10$ までの和 $S_{10}$ を工夫して求めます。端から足す方法($1+10=2+9=\dots=11$)でも計算できますが、項数が奇数だと中央の数が余るため一般化には向きません。
そこで「同じ和を逆順にして2回足す」方法を使います。
$$S_{10} = 1+2+3+\cdots+10$$
$$S_{10} = 10+9+8+\cdots+1$$
縦に足すと、どの列も (初項+末項) の $11$ になり、それが項数分(10個)あります。
$$2S_{10} = 11 \times 10 \quad \Rightarrow \quad S_{10} = \frac{1}{2}\times 10 \times (1+10) = 55$$
これを文字式で一般化すると、初項 $a$・末項 $l$・項数 $n$ の等差数列の和は、
$$S_n = \frac{1}{2}n(a+l)$$
末項 $l = a+(n-1)d$ を代入すると、公差 $d$ を使った形も得られます。
$$S_n = \frac{1}{2}n\{2a+(n-1)d\}$$
公式の「$2a$」に戸惑う場合は、先に末項 $l$ を計算して $\frac{1}{2}n(a+l)$ に代入する方が構造が分かりやすくミスも減ります。
そこで「同じ和を逆順にして2回足す」方法を使います。
$$S_{10} = 1+2+3+\cdots+10$$
$$S_{10} = 10+9+8+\cdots+1$$
縦に足すと、どの列も (初項+末項) の $11$ になり、それが項数分(10個)あります。
$$2S_{10} = 11 \times 10 \quad \Rightarrow \quad S_{10} = \frac{1}{2}\times 10 \times (1+10) = 55$$
これを文字式で一般化すると、初項 $a$・末項 $l$・項数 $n$ の等差数列の和は、
$$S_n = \frac{1}{2}n(a+l)$$
末項 $l = a+(n-1)d$ を代入すると、公差 $d$ を使った形も得られます。
$$S_n = \frac{1}{2}n\{2a+(n-1)d\}$$
公式の「$2a$」に戸惑う場合は、先に末項 $l$ を計算して $\frac{1}{2}n(a+l)$ に代入する方が構造が分かりやすくミスも減ります。
演習問題¶
1
問題
数列 $\{a_n\}$ の一般項が $a_n = 5n-2$ で表されるとき、この数列は等差数列であることを示せ。また、その初項と公差を求めよ。
$a_{n+1} = 5(n+1) - 2 = 5n+3$
「置き換え」の考え方です。$a_n$ の式にある $n$ を $n+1$ に置き換えて、$a_{n+1}$ をまず作りましょう。
$a_{n+1} - a_n = (5n+3) - (5n-2) = 5$
隣り合う2項の差を計算すると、$n$ が消えて定数 $5$ になりました。差が常に一定なので、この数列は等差数列だと言えます。
$a_1 = 5(1)-2 = 3, \quad$ 公差 $= 5$
初項は一般項の式に $n=1$ を代入するだけ。公差は今計算した差の値そのものです。
💡
差 $a_{n+1}-a_n$ が定数であることを示せば等差数列の証明になる。初項は $n=1$ 代入、公差は差の計算結果。
2
問題
3つの数 $a, \; 9, \; 2a$ がこの順で等差数列であるとき、$a$ の値を求めよ。また、そのときの3つの項を答えよ。
$2 \times 9 = a + 2a$
等差中項の関係式 $2b=a+c$ を使います。中央の項 $9$ を2倍したものが、両端の項の和に等しくなります。
$18 = 3a \quad \Rightarrow \quad a = 6$
式を整理して $a$ を求めます。
$a=6$ のとき、3つの項は $6, \; 9, \; 12$
求めた $a=6$ を代入すると $6, 9, 12$。隣り合う差がどちらも $3$ で、確かに公差3の等差数列になっていますね。
3
問題
次の等差数列の和を求めよ。(1) 初項が $12$、末項が $-48$、項数が $10$ である等差数列の和 $S_{10}$ (2) 初項が $-8$、公差が $3$ である等差数列の、初項から第16項までの和 $S_{16}$
$S_{10} = \frac{1}{2}\times 10 \times \{12+(-48)\}$
初項・末項・項数がすべて分かっているので、公式 $S_n=\frac{1}{2}n(a+l)$ をそのまま使えます。
$S_{10} = 5 \times (-36) = -180$
計算すると答えは $-180$ です。
$l = a_{16} = -8+(16-1)\times 3 = 37$
まず末項(第16項)を求めておくと、どちらの公式を使うか迷いません。
$S_{16} = \frac{1}{2}\times 16 \times (-8+37) = 8 \times 29 = 232$
初項と末項の和を項数倍して2で割ると $232$ が求まります。
💡
公式を丸暗記するより、末項 $l=a+(n-1)d$ を先に計算してから $S_n=\frac{1}{2}n(a+l)$ に代入する方が構造的でミスが減る。
解法A(末項を先に求める)
$l=37$ を求めてから
$S_{16}=\frac{1}{2}\times16\times(-8+37)=232$
$l=37$ を求めてから
$S_{16}=\frac{1}{2}\times16\times(-8+37)=232$
解法B(公式に直接代入)
$S_{16}=\frac{1}{2}\times16\{2\times(-8)+(16-1)\times3\}$
$=8\times(-16+45)=232$
$S_{16}=\frac{1}{2}\times16\{2\times(-8)+(16-1)\times3\}$
$=8\times(-16+45)=232$