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2次方程式の解と判別式

グラフの共有点と2次方程式

2次関数のグラフと $x$ 軸の共有点の $x$ 座標は、2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ を解くことで求められます。
$x$ 軸上の点は常に $y=0$ であるため、元の関数 $y = ax^2+bx+c$ に $y=0$ を代入すればよいからです。 そして、この2次方程式の解(=交点の $x$ 座標)は、おなじみの解の公式を使って計算することができます。 $$ x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} $$
🗣️ 先生の補足:
2次関数のグラフが $x$ 軸と交わる場所。この点の $y$ 座標は $0$ になっていますね。だから式に $y=0$ を代入して解けばいいわけです!
つまり、「グラフの交点を求めること」と「解の公式で $x$ を計算すること」は、実は全く同じことをやっているんですよ。
y軸 x y = ax² + bx + c (-2, 0) (2, 0)

1次の係数が偶数のときの解の公式

2次方程式 $ax^2 + 2b'x + c = 0$ (つまり $x$ の係数が偶数 $2b'$ のとき)の解は、以下の簡略化された公式で求められます。 $$ x = \frac{-b' \pm \sqrt{b'^2 - ac}}{a} $$
公式の導出
通常の解の公式 $x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}$ において、$x$ の係数 $b$ が偶数であるとし、$b = 2b'$ を代入してみましょう。 $$ \begin{aligned} x &= \frac{-(2b') \pm \sqrt{(2b')^2 - 4ac}}{2a} \\ x &= \frac{-2b' \pm \sqrt{4b'^2 - 4ac}}{2a} \\ x &= \frac{-2b' \pm \sqrt{4(b'^2 - ac)}}{2a} \end{aligned} $$ ルートの中の $4$ を外に出すと $2$ になります。 $$ \begin{aligned} x &= \frac{-2b' \pm 2\sqrt{b'^2 - ac}}{2a} \end{aligned} $$ 分母と分子をすべて $2$ で約分すると、簡略化された公式が得られます。 $$ \begin{aligned} x &= \frac{-b' \pm \sqrt{b'^2 - ac}}{a} \end{aligned} $$
🗣️ 先生の補足:
分母の2やルートの中の4が最初から約分された状態になるため、実際の計算では「最後に2で約分する」という面倒な手間を省くことができます。計算ミスを減らす強力な武器になりますよ!
1
問題
2次方程式 $5x^2 + 6x - 1 = 0$ を解け。

$$ \begin{aligned} x &= \frac{-6 \pm \sqrt{6^2 - 4 \cdot 5 \cdot (-1)}}{2 \cdot 5} \\ x &= \frac{-6 \pm \sqrt{36 + 20}}{10} \\ x &= \frac{-6 \pm \sqrt{56}}{10} \\ x &= \frac{-6 \pm 2\sqrt{14}}{10} \\ x &= \frac{-3 \pm \sqrt{14}}{5} \end{aligned} $$

まずは通常の解の公式に当てはめてみましょう。ルートの中身が大きくなり、最後に $2$ で約分する手間が発生していますね。$x$ の係数が偶数の場合、必ず最後に約分が発生します。

$$ \begin{aligned} &b' = \frac{6}{2} = 3 \text{ より、} \\ x &= \frac{-3 \pm \sqrt{3^2 - 5 \cdot (-1)}}{5} \\ x &= \frac{-3 \pm \sqrt{9 + 5}}{5} \\ x &= \frac{-3 \pm \sqrt{14}}{5} \end{aligned} $$

今度は簡略化バージョンを使ってみます。$b$ の半分の値 $b'=3$ を使うと、分母の $2$ やルートの中の $4$ が最初から約分された状態になり、計算がとても楽になりますよ!
💡
$x$ の係数が偶数の場合は、簡略化バージョンの公式を使うと計算ミスを減らせる!

次の2次方程式を解け。

2
問題
(3) $x^2 + 2x - 1 = 0$

$$ \begin{aligned} b' &= 1 \text{ より、} \\ x &= \frac{-1 \pm \sqrt{1^2 - 1 \cdot (-1)}}{1} \\ x &= -1 \pm \sqrt{1 + 1} \\ x &= -1 \pm \sqrt{2} \end{aligned} $$

$x$ の係数が $2$ (偶数)なので簡略化バージョンを使います。$x^2$ の係数が $1$ なので、分母が消えていきなり分子だけを計算すればよいことになりますね!
3
問題
(4) $2x^2 - 4x - 7 = 0$

$$ \begin{aligned} b' &= -2 \text{ より、} \\ x &= \frac{-(-2) \pm \sqrt{(-2)^2 - 2 \cdot (-7)}}{2} \\ x &= \frac{2 \pm \sqrt{4 + 14}}{2} \\ x &= \frac{2 \pm \sqrt{18}}{2} \\ x &= \frac{2 \pm 3\sqrt{2}}{2} \end{aligned} $$

これも $x$ の係数が $-4$ なので簡略化バージョンを使います。ルートの中身は $b'^2 - ac = (-2)^2 - 2 \times (-7) = 18$ となります。
4
問題
(6) $x^2 - 2\sqrt{3}x + 3 = 0$

$$ \begin{aligned} & x^2 - 2\sqrt{3}x + 3 = 0 \\ & (x - \sqrt{3})^2 = 0 \\ & x = \sqrt{3} \end{aligned} $$

係数にルートが入っていて嫌な形ですが、よく見ると因数分解できます。$2$乗して $0$ になる数は $0$ しかないので、$x = \sqrt{3}$ になりますね。
💡
因数分解できる場合は因数分解を優先!できなければ解の公式。係数が偶数なら簡略版を使いましょう。

判別式とは?

2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解の公式において、ルートの中身に着目します。 $$ x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a} $$ このルートの中身 $D = b^2 - 4ac$ を 判別式 と呼びます。この $D$ の符号(プラスか、ゼロか、マイナスか)によって、実数解の個数が判別できます。
Dの符号と解の個数
(i) $D > 0$ のとき $$ x = \frac{-b + \sqrt{D}}{2a}, \quad \frac{-b - \sqrt{D}}{2a} \quad \text{(実数解 2個)} $$ (ii) $D = 0$ のとき
$\pm \sqrt{0}$ は $0$ なので、プラスマイナスの区別がなくなります。 $$ x = \frac{-b \pm 0}{2a} = -\frac{b}{2a} \quad \text{(重解:実数解 1個)} $$ (iii) $D < 0$ のとき
ルートの中身がマイナスになる実数は存在しません。したがって 実数解 0個 となります。
💡 なぜルートの中がマイナスだと存在しないの?
実数は、2乗すると必ず $0$ 以上($a^2 \geqq 0$)になります。
$\sqrt{4} = 2$ や $-\sqrt{4} = -2$ のように計算できますが、$\sqrt{-4}$ は「2乗して $-4$ になる数」となるため、実数の範囲では存在しないのです。
🗣️ 先生のまとめ:
  • $D > 0 \iff$ 実数解 2個
  • $D = 0 \iff$ 実数解 1個
  • $D < 0 \iff$ 実数解 0個
結果だけを丸暗記するのではなく、「解の公式の $\pm$ の部分」と「ルートの中身がマイナスになれない」という理由から導けるようにしておきましょう!

実数解の個数

5
問題
次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。
(1) $x^2 + 3x + 1 = 0$
(2) $2x^2 - x + 2 = 0$
(3) $4x^2 + 4x + 1 = 0$

(1) $x^2 + 3x + 1 = 0$ $$D = 3^2 - 4 \cdot 1 \cdot 1 = 5 > 0$$ よって、実数解は 2 個

(2) $2x^2 - x + 2 = 0$ $$D = (-1)^2 - 4 \cdot 2 \cdot 2 = -15 < 0$$ よって、実数解は 0 個

(3) $4x^2 + 4x + 1 = 0$
$x$ の係数が偶数なので簡略化版 $\frac{D}{4}$ を使うと、 $$\frac{D}{4} = 2^2 - 4 \cdot 1 = 0$$ よって、実数解は 1 個(重解)

解の個数を求めるだけなら方程式を最後まで解く必要はなく、判別式 $D$(または $\frac{D}{4}$)の符号だけを確かめればOKです!