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グラフと2次不等式

1次不等式をグラフで解く考え方

$2x-6>0$ を例に考える。移項して2で割れば $x>3$ とすぐ解けるが、ここでは左辺 $2x-6$ を $y=2x-6$ という1次関数とみなすという見方をする。

この不等式の解は、$y=2x-6$ のグラフについて $y>0$ となる $x$ の範囲に一致する。グラフより $x=3$ を境に右側で $y>0$ になるので、解は $x>3$(境界の $x=3$ は含まない)。

この「式をグラフに見立てて $y$座標の符号で解の範囲を読み取る」という考え方を、この後の2次不等式でも使う。
x (3, 0)

1次不等式とグラフの関係

1
問題
次の1次不等式を、グラフを用いて解け。
(1) $4x - 4 > 0$
(3) $3x + 2 \ge 0$

(1) $y=4x-4$ について、$y$切片は $-4$、$x$切片は $y=0$ とおいて $x=1$。

x (1, 0)
まず $y$切片と $x$切片を求めてグラフの形を確認します。

(1) $4x-4>0$ の解は $y>0$ となる部分。グラフより $x>1$($1<x$ でも同じ)。

$y$座標が0より大きいのは $x=1$ より右側の部分です。境界の $x=1$ は含みません。

(3) $y=3x+2$ について、$y$切片は $2$、$x$切片は $3x+2=0$ より $x=-\dfrac{2}{3}$。

x (-2/3, 0)
$x$軸との交点を求めるときは $y=0$ を代入するのでしたね。

(3) $3x+2 \ge 0$ の解は $y \ge 0$ となる部分。グラフより $x \ge -\dfrac{2}{3}$。境界を含む。

不等号に等号が入っているので、境界の点も解に含みます。もし不等号の向きが逆($3x+2<0$)なら、反対側の $x<-\dfrac{2}{3}$ が解になります。

2次不等式をグラフで解く考え方

$x^2-2x-3>0$ を例に考える。1次不等式と同じ考え方で、左辺 $x^2-2x-3$ を $y=x^2-2x-3$ という2次関数とみなし、$y>0$ となる $x$ の範囲を求めればよい。

2次関数のグラフというと頂点を出すための平方完成を思い浮かべるが、2次不等式を解くだけなら頂点の座標は不要なので平方完成はしない。必要なのは $x$軸との交点だけである。

$x^2-2x-3$ を因数分解すると $y=(x+1)(x-3)$。$y=0$ となるのは $x=-1, 3$ のときなので、このグラフは点 $(-1,0)$、$(3,0)$ を通る。$x^2$ の係数が正なので下に凸の放物線になる。

$x^2-2x-3>0$ の解は、このグラフの $y$座標が0より大きい部分=両端(外側)。よって $x<-1$ または $3<x$。もし不等号が逆($x^2-2x-3<0$)なら、$-1$ と $3$ の間(内側)が解になる。

交点が2つある2次不等式の解は「外側」か「内側」の2パターンしかない。不等号が $>$ なら外側、$<$ なら内側と機械的に覚えるのではなく、グラフの $y$座標がどちらの範囲で正・負になるかをそのつど確認する。
x (-1, 0) (3, 0)

2次不等式とグラフの関係(因数分解パターン)

2
問題
次の2次不等式を解け。
(1) $(x-1)(x-4) < 0$
(2) $(x+1)(x-2) \ge 0$

(1) $y=(x-1)(x-4)$ は下に凸で、$x=1, 4$ で $x$軸と交わる放物線。

x (1, 0) (4, 0)
すでに因数分解されている問題は、交点がそのまま読み取れるので簡単です。

(1) $y<0$ となるのは $1$ と $4$ の間(内側)。よって $1<x<4$。

$y$座標が0より小さい部分、つまりグラフが $x$軸より下にある範囲を読み取ります。

(2) $y=(x+1)(x-2)$ は下に凸で、$x=-1, 2$ で $x$軸と交わる放物線。

x (-1, 0) (2, 0)
交点は $-1$ と $2$ です。

(2) $y \ge 0$ となるのは $-1$ より小さいか $2$ より大きい部分(外側)。等号を含むので境界も解に含む。よって $x \le -1$、$2 \le x$。

不等式に等号が入っていれば、答えの不等式にも等号を忘れずに付けましょう。

因数分解して解く2次不等式

3
問題
次の2次不等式を解け。
(1) $(x-3)(x-5) > 0$
(2) $(x+3)(x-2) \le 0$
(3) $x^2-7x+12<0$
(4) $x^2+3x-4 \ge 0$
(5) $x^2+5x+6 \le 0$
(6) $x^2-4 \ge 0$

(1) $y=(x-3)(x-5)$ は $x=3,5$ で $x$軸と交わり、下に凸の放物線。

x (3, 0) (5, 0)
まず左辺を因数分解し、その下に簡単な放物線の図を書きます。採点でグラフそのものが見られることはまずありませんが、判断のために必ず書きましょう。

(1) $y>0$ となるのは $3$ と $5$ の外側。よって $x<3$、$5<x$。

交点が2つの場合、答えは外側か内側の2パターンしかありません。不等号の向きとグラフの凸の向きで決まります。

(2) $(x+3)(x-2) \le 0$ はすでに因数分解済み。交点は $x=-3, 2$。

x (-3, 0) (2, 0)
$y \le 0$ なので $-3$ と $2$ の間(内側)。等号を含むので境界も解に含み、$-3 \le x \le 2$ です。

(3) $x^2-7x+12<0$ を因数分解すると $(x-3)(x-4)<0$。交点は $x=3,4$。

x (3, 0) (4, 0)
小なり0なので $3$ と $4$ の間(内側)。よって $3<x<4$ です。

(4) $x^2+3x-4 \ge 0$ を因数分解すると $(x-1)(x+4) \ge 0$。交点は $x=-4,1$。

x (-4, 0) (1, 0)
0以上(外側)なので、グラフの $y$座標が0以上になる範囲を見ます。等号を含むので境界も解に含み、$x \le -4$、$1 \le x$ です。

(5) $x^2+5x+6 \le 0$ を因数分解すると $(x+3)(x+2) \le 0$。交点は $x=-3,-2$。

x (-3, 0) (-2, 0)
小なりイコール0なので、グラフが $x$軸より下になる範囲(内側)を見ます。$-3$ と $-2$ の間に $x$ があり、等号も含むので $-3 \le x \le -2$ です。

(6) $x^2-4 \ge 0$ を因数分解すると $(x+2)(x-2) \ge 0$。交点は $x=-2,2$。

x (-2, 0) (2, 0)
0以上(外側)なので $x \le -2$、$2 \le x$ です。